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NTTドコモ(9437) 今期営業利益は料金値下げの影響で16%減益予想

QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2019/05/10)

・来期も料金値下げの影響あるが小幅営業増益予想
 6月1日より通信料金を2~4割引き下げる新料金プランを開始する。会社側はこれにより「今20/3期は2000億円の営業減益要因になる」としている。
 企業価値研究所は今期の営業利益は前期比16%減の8560億円を予想する。従来予想を580億円増額した。従来想定に比べて新料金プランの減益要因が1000億円程度縮小する見込みの一方で、端末機原価の上昇や成長投資の負担増などを新たに織り込んだ。
 来21/3期の営業利益は前期比4%増の8900億円の予想。来期も新料金プランへの契約シフトが進み減益要因になるが、光通信収入の増加、非通信事業の成長、費用削減などで小幅増益に転じよう。来春より第5世代移動通信システム(5G)のサービスを開始するが、当面は業績への影響は軽微とみている。

・今期6期連続の増配へ。自己株式取得計画も公表
 会社側は株主還元を引き続き積極的に行う方針。今期の1株当たり年間配当金は120円で6期連続の増配計画。総額で3000億円の自己株式取得計画も公表。

・リスクファクター ~料金競争激化、他社攻勢

・アナリストの投資判断 ~株価指標割安ながら料金競争懸念で株価横ばいか
 株価は昨年10月末の大幅な料金値下げ方針の公表を嫌気して急落、その後も低迷している。株価指標をみると、当研究所が大幅減益を見込む今期予想PERで13倍(過去5年平均16倍)、会社予想配当利回りは5%程度(同3.4%)と割安。株価の下値余地は限定的であろう。一方では今秋に楽天が移動通信事業に本格参入することで料金値下げ競争が一段と強まる懸念もあり、株価の上値は重そうだ。当面の株価は現値水準で推移するとみている。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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