QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2019/05/14)
・会社側は3%営業増益を計画。自己株式取得も発表
20/3期の連結営業利益計画について会社側は、前期比3%増の2兆5500億円を計画。為替円高の影響はあるが、原価改善や減価償却方法の変更がプラスに働く見通し。為替レートの前提は、1ドル=110円。本決算発表と同時に、上限3000億円の自己株式の取得も発表した。企業価値研究所では、今後も継続的な自己株式の取得が期待できると考えている。
・アジアの伸長などで22/3期に過去最高益更新を予想
20/3期の連結業績予想に関して当研究所では、減価償却方法変更によるプラス効果を織り込んだほか、為替レートの前提を1ドル=108円→110円と円安方向に見直し、営業利益を2兆6000億円→2兆6500億円(前期比7%増)へ増額する。ただこれら要因を除けば、需要の頭打ちや環境規制強化に対応したコスト増などを勘案し、北米拠点の収益改善が従来想定より時間を要すると判断し、実質的には引き下げた。米トランプ政権の保護主義政策の動向にも引き続き注意を要すると考えている。21/3期以降は、アジアでの販売台数の伸長、原価低減などから堅調に推移し、22/3期に営業利益で過去最高更新を予想する。
・リスクファクター ~米国の保護主義政策、為替など
・アナリストの投資判断 ~収益力改善、自己株式取得が株価の下支えになると予想
直近の株価に基づく20/3期の当研究所予想PERは8倍。過去60カ月の平均PER10倍との比較では、割安感がある。今後は、北米拠点の収益改善が遅れていることや、米トランプ政権の保護主義政策の動向に注意を要する。ただ、アジアでの台数増や原価低減による全体としての収益力改善、継続的な自己株式取得の期待などを映し、株価は緩やかに持ち直す展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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