QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2019/05/15)
・ホテルなど非運輸部門の業績も堅調な推移を想定
前期決算発表を受け企業価値研究所では、今20/3期の連結業績予想を微修正。営業利益を1970億円→1980億円(前期比1%増)とした。今期の会社計画を踏まえ、不動産販売の想定を引き上げたことなどから、予想をやや増額した。前期との比較では、景気の緩やかな回復に伴い、鉄道の利用が増加すると想定。鉄道設備の修繕費などの費用も増えるとみるが、小幅の営業増益の予想としている。
来21/3期の連結業績は、営業利益2030億円(前期比3%増)を予想。訪日客の取り込みなどで新幹線を中心に鉄道の利用が増加するほか、ホテル運営など非運輸部門の業績も堅調に推移するとみて、増益の予想としている。
・19/3期は景気回復で輸送需要が活発化
19/3期の単体運輸収入は18/3期と比べ0.6%増加。西日本豪雨など災害の影響はあったが、景気回復に伴う輸送需要の活発化もあり微増収を確保した。
・リスクファクター ~大規模地震の発生など
・アナリストの投資判断 ~足元で特段の割高感はなく、中長期的観点から水準を切り上げる展開を予想
直近株価での今期当研究所予想PERは13倍台半ばと、過去3年の平均と概ね同水準にある。当研究所では景気の先行きがやや不透明で、今後、新幹線の輸送需要が伸び悩むリスクがあるとみることなどから、株価も過去3年を下回る評価が妥当だが、ホテルの積極展開など会社が取り組む非運輸部門の強化策が順調に進んでいることもあり、株価の評価を大きく引き下げる必要はないと考えている。足元の株価に特段の割高感はなく、今後は中長期的観点から、着実な利益成長をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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