QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2019/05/17)
・今期は会社計画より強めの利益予想を継続
19/12期1Q連結業績は前年同期比12%増収、営業利益は同20%増の529億円。滞留在庫の出荷が進んだ北米で大幅増収となり、タイの販売も拡大。中国の販売は低迷したが、全体で2桁増収に。金利低下による北米のインセンティブ率改善等も増益に寄与した。企業価値研究所は19/12期通期業績について、会社計画(営業利益2000億円)比強めの利益予想(営業利益2100億円)を継続する。1Q業績はもともと強めの出足を見込んでいた会社計画に対しても、やや良かったとみる。4月の北米小売販売も好調。外部環境の厳しさも踏まえ予想は据え置くが、引き続き会社計画比強めの利益を見込む。
・海外機械事業の成長を軸に引き続き業績続伸を予想
当研究所の20/12期、21/12期の業績予想も据え置く。為替想定を円安に見直したが、需要面の不透明感等を考慮した。引き続き海外機械事業の成長を軸とした業績続伸を予想。北米、アジア等での高水準の売上成長等を見込む。北米等で競争環境は引き続き厳しいとみる。4月に新たに自己株取得枠を設定。総還元性向30%超が目線で、株主還元は比較的高い水準が続くと予想する。
・リスクファクター ~各国の政策、為替、気候変動等
・アナリストの投資判断 ~業績見通し等踏まえると割安感
現状の当研究所の19/12期予想PERは約13倍で、製造業や機械セクターの平均(15倍程度)、同社の過去3年平均(16倍程度)を下回る。当面は米中貿易摩擦激化への懸念などが株価の上値抑制要因となる可能性はある。ただ、北米等の堅調な販売を軸に同社業績は底堅い見通しで、1Q業績は好スタートを切り、今期会社利益計画には上振れ余地があることなども踏まえると、現状の株価水準には割安感があり、上値を追う余地があると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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