QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2019/05/23)
・米国事業の再建策を発表、今期は減配を計画
同社は本決算発表時に、事業構造改革計画を発表した。低採算なフリート販売、販売店への販売奨励金の抑制などによる米国事業の再建、事業および投資効率の適正化、新商品、新技術を軸にした着実な成長に取り組む。20/3期の連結営業利益見通しについて会社側は、前期比28%減の2300億円を計画。欧米での販売低迷継続、規制対応や商品性向上に伴うコスト増が負担になる見通し。1株当たり年間配当金は、企業価値研究所が懸念していた通り、40円と前期予定比17円の減配を計画している。
・今期は会社計画を下回る3割超の営業減益を予想
20/3期の連結営業利益見通しに関して当研究所では、4月に会社側が19/3期の業績計画を下方修正したことを受け、暫定的に利益予想を引き下げていたが、4360億円→2200億円(前期比31%減)へと再度大きく減額する。カルロス・ゴーン元会長逮捕に端を発した一連のガバナンス問題によるブランド価値毀損を勘案、国内中心に販売台数を慎重にみて、会社計画を下回る予想とした。21/3期以降は、事業構造改革の推進による利益回復を予想するが、米国事業の再建は相当な時間を要すると考えている。
・リスクファクター ~アライアンスの行方
・アナリストの投資判断 ~当面は収益力低下、アライアンスの不透明感が株価の重荷に
直近の株価に基づく20/3期の予想PERは15倍。同社の過去60カ月の平均PER9倍との比較では、割高感がある。当面の株価は、米国事業を中心とした収益力の低下がマイナス材料であるほか、アライアンスの行方も不透明感が強く、上値の重い展開が続くと予想する。一方、当研究所が懸念していた通り、会社側は減配計画を提示してきたが、それでも配当利回りは5%超と高く、大幅な下値不安はないとも考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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