QUICK資産運用研究所=西本ゆき
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて運用環境が悪化し、国内の投資信託市場にも影響が及んでいる。2月末の国内公募投資信託の純資産総額(残高)は約115.91兆円となり、前月比で6.68兆円減少した。減少幅としては、米中貿易問題の深刻化などで残高が落ち込んだ2018年12月末(7.36兆円の減少)以来1年2カ月ぶりの大きさ。2月末にかけて世界的に株式相場が大幅下落したことが投信残高の減少要因になった。
国内公募投信残高のうち、上場投資信託(ETF)は前月比3.57兆円減の39.41兆円程度。前月比の減少率でみると8.3%のマイナスとなり、10年5月(8.7%)以来の大きさだった。
ETF以外の残高は、前月比3.11兆円減の76.50兆円程度だった。3.9%の減少で、18年12月(6.2%)以来の水準。残高はピークだった15年5月末(約88.11兆円)を大幅に下回っている。