QUICK資産運用研究所
新型コロナウイルスに対する不安心理から世界の金融市場に動揺が広がり、国内の投資信託市場でも個人マネーが大きく動いている。相場変動の激しかった3月前半(13日までの2週間)について、国内公募の追加型株式投信(ETF、ラップ専用、DC専用を除く)の資金流入額(推計値)を集計したところ、内外の株式で運用するタイプに資金が集まった。
世界的に株式相場が乱高下する中でも、集計対象の投信全体で2000億円以上の資金が流入した。投資対象別(QUICK独自の分類)では、「先進国株式型」と「グローバル株式型」を合わせて1900億円程度、「国内株式型」は900億円程度の資金流入超だった。内外の債券で運用するタイプからは資金が流出した(下記グラフは主要な投信分類の資金流入額)。
個別ファンドの資金流入額ランキングを見ると、全体の首位は「日経225ノーロードオープン」(47311988)の約199億円。日経平均連動型のインデックスファンドは株式相場の下げ局面で買われ、上げ局面では売られる「逆張り」投資に活用される傾向がある。
2位に「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド(愛称:アメリカン・ロイヤルロード)」(AW31119C)の約179億円、3位に「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」(3531299B)の約147億円と、主に米国株へ投資するファンドが続いた。国内株式相場の上場局面でリターンが期待できるブル型ファンドも上位10本のうち2本ランクインした。
一方、資金流出額では10本中3本がベア型だった。資金流出額が最も多かったのは「SBI 日本株3.7ベアⅢ」(89311185)の約92億円、2位は「ベア2倍日本株ポートフォリオⅤ」(04313186)の約62億円だった。3位は主に中国株式を投資対象とする「深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)」(0231217B)で、約53億円の資金流出だった。
主要な投信分類ごとの資金流入額上位・下位ランキングは以下のとおり。
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