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信越化学工業(4063) 連結全体で小幅減益を見込むが、半導体シリコン部門は堅調に推移

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2020/07/30)

・新型コロナ影響などで業績予想を小幅減額修正
 21/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高1兆4800億円→1兆4500億円(前期比6%減)、営業利益3850億円→3800億円(同6%減)へ小幅下方修正する。新型コロナウイルス感染症の流行などにより、塩ビ樹脂やシリコーンなどの需要が低迷し、市況も下落。半導体シリコン部門は堅調な推移が見込まれ、各部門も期後半にかけて回復に向かうとみているが、今期は連結全体で減収、減益となる見通しだ。見方に大きな変更はないが、1Qの実績などを踏まえて予想を小幅引き下げた。新型コロナの影響が収束する来期以降は、主要製品の数量増で業績は着実な伸びをみせよう。

・1Qは半導体シリコンを含めて全部門が減益に
 21/3期1Qの連結営業利益は前年同期比15%減の909億円となった。塩ビ・化成品部門が製品市況下落の影響で苦戦するなど、新型コロナの影響などで全部門が減益となった。ただし、半導体シリコン部門は前四半期比では大幅増益となり、回復が鮮明になっている。

・リスクファクター ~新型コロナ影響の長期化など

・アナリストの投資判断 ~半導体関連製品の好調などを追い風に、株価は上昇へ
 20年2月に上場来高値1万3945円を付けた株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた株式相場全体の急落で一時8000円台まで下落。その後は世界的な半導体関連銘柄の好調もあり、1万3000円台まで値を戻している。足元では当研究所の今期予想連結PERで約19倍と、同社の過去の平均的なレンジである17~18倍をやや上回るが、電子材料メーカーの平均を下回る。新型コロナの影響には依然不透明感が強いが、半導体関連製品の好調に加え、来期以降安定した業績拡大が見込まれる点などを考慮すると、電子材料メーカーの平均並みとなる同21倍程度の評価は可能であり、株価は上昇に向かうと考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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