QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/07/31)
・フリート販売中心に米国の販売が予想以上に落ち込む
企業価値研究所では、21/3期通期の営業損益予想を1200億円の赤字→2900億円の赤字(前期は405億円の赤字)へ引き下げる。レンタカー業界向けなどフリート販売中心に米国の販売が予想以上に落ち込んでいること、欧州や新興国での需要回復遅れ、販売金融事業の収益力悪化などを織り込んだ。ただ、米国中心に会社想定ほどには需要は落ち込まないと判断、1Q決算発表時(7月28日)に公表した会社計画(4700億円の営業赤字)より強めの予想とした。続く22/3期は、期を通じて正常な経済活動が可能と想定。「ローグ」など新型車の投入効果なども加わり、営業黒字に転換するとの見方を継続する。
・米国事業の立て直しは時間を要するとの見方を継続
同社は5月に、新たな事業構造改革計画(21/3期から24/3期までの4カ年計画)を発表、生産能力の20%削減、3000億円の固定費削減を進める一方、日本、中国、北米の市場に集中する。1Q決算発表時には、おおむね順調に進捗していると会社側は説明した。当研究所では、同社の最重要課題は米国事業の立て直しであり、その再建には相当な時間を要するとの見方を変えない。
・リスクファクター ~米国事業の立て直し
・アナリストの投資判断 ~米国事業再建は時間が必要。上値の重い展開を予想
直近の株価に基づく、生産能力や固定費の削減がおおむね完了すると見込んだ23/3期の予想PERは10倍。同社の過去60カ月(多額の一過性費用を計上した20/3期を除く)の平均PER9倍との比較では、やや割高感がある。米国事業の立て直しに相当の時間を要するほか、これまでの積極的な配当政策への復帰にも時間がかかるとの見方を変えない。当面の株価は、引き続き上値の重い展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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