QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2020/08/04)
・来期は新型コロナ収束前提でも利益水準回復は鈍い
21/3期1Qの営業利益は前年同期比46%減の54億円だった。テレビ広告、イベント、スポーツクラブ運営などで新型コロナウイルス感染症の影響が強かった。
企業価値研究所は21/3期の営業利益について、前期比39%減の263億円を予想する。1Q決算、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大を考慮し33億円減額した。通期でもテレビ広告の落ち込みが大きいうえ、スポーツクラブ運営事業も赤字が拡大しそうだ。
来22/3期の営業利益は前期比32%増の348億円の予想。新型コロナウイルス感染症はほぼ収束することが前提。東京五輪による広告特需も期待できる。ただ、企業業績の回復は遅れるとみており、テレビ広告需要の本格回復は想定していない。スポーツクラブの会員数の回復も容易でない。利益水準の回復は遅れそうだ。
・中期経営計画での業績目標を取り下げ
中期経営計画では22/3期に営業利益で540億円を目標としていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して業績目標を取り下げた。
・リスクファクター ~景気低迷長期化、視聴率低下等
・アナリストの投資判断 ~新型コロナの影響強く上値の重い展開続くとの判断継続
当研究所は「株価の上値は重く当面は現値水準で推移する」との従来判断を継続する。足元の実績PBRは0.39倍で過去5年平均の0.67倍を大きく下回っている。株価は相応のリスクを織り込んだようだ。一方では広告需要への影響が強い企業業績の低迷は長期化することが想定される。また、スポーツクラブは競争が激しく、会員数の回復も容易ではない。そのため株価水準の回復にも時間がかかりそうだ。引き続き会社側が業績予想および配当計画の公表を見送っていることも株価の重荷になろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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