QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/08/05)
・今期は会社計画を上回る営業利益の回復を予想
会社側は1Q決算発表時(7月31日)に、未定としていた業績見通しを公表。21/3期通期の連結営業利益は、1000億円(前期比64%増)を計画。新型コロナウイルスの影響はあるが、前期に品質費用2220億円を計上した反動などから、利益の回復を見込んでいる。一方、企業価値研究所では、営業利益予想を1940億円→1400億円(同2.3倍)へ引き下げる。従来想定よりアセアンやインドなどでの需要回復が遅れると見込んだ。ただし、トヨタ(7203)を中心とした国内自動車生産を強めにみて、会社計画を上回る予想とした。
・合弁会社ブルーイーネクサスにトヨタも出資へ
22/3期以降も予想を減額するが、期を通じて正常な経済活動が可能と想定、営業利益の回復が続くとの見方を変えない。同社が出資する合弁会社ブルーイーネクサスに対し、トヨタも新たに10%出資すると発表。これにより、トヨタグループ以外への電動車用製品の拡販が進めやすくなったとみて、前向きに評価している。一方、ADAS(先進運転支援システム)・自動運転用製品に関しては、トヨタグループ向けを中心とした事業の拡大を予想する。
・リスクファクター ~品質費用、新型コロナなど
・アナリストの投資判断 ~電動車用製品の拡販期待から株価復調を予想
直近の株価に基づく、期を通じて正常な経済活動が可能と想定した翌22/3期の当研究所予想PERは14倍。過去60カ月(多額の品質費用を計上した20/3期を除く)の平均PER15倍との比較では、やや割安感がある。当面の株価は、新型コロナ感染症の再拡大が嫌気され、上値の重い展開が見込まれる。ただ中長期的には、トヨタ以外への電動車用製品の拡販期待から、株価も回復基調をたどると予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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