国内の株式相場は企業業績と隣り合わせの展開が続きそうだ。QUICKの調査によると米中関係や米大統領選などの懸念材料があるが、株価の変動要因として影響の大きなものは国内の景気動向とする投資家が多いことがわかった。年始に向けた日経平均株価は2万2000円~2万3000円のボックス圏での推移を予想している。
QUICKが今月4~6日に実施した月次調査<株式>では今月末の日経平均の予想平均値は2万2041円で、半年先の21年1月末は2万2508円だった。6月と7月に実施した調査の見通しとほぼ変わらず、緩やかな回復基調を見込むも上値は重い。
何が重荷となっているのか。今後6カ月で最も注目している株価変動要因を聞いたところ、「景気・企業業績」が70%と断トツで多かった。先月調査から4ポイント増え、5月調査以来2カ月ぶりの高水準だった。4~6月期の決算発表が本格化する前に調査したこともあり、企業業績への強い警戒感がうかがえる。
18%で2番目に多い「政治・外交」は、前月から6ポイント増で注目度が最も上がった。ただ、米中関係に関わるリスクはそれほど懸念されていないようだ。米中対立が世界の経済や株式市場に及ぼす影響について聞いた質問では「株価は短期的に下落するが、経済への影響は軽微」と回答した人が48%で最多だった。「既に織り込み済みで、マイナス要因にならない」と「中国には悪影響だが、世界全体の影響は少ない」の回答が合わせて32%にのぼった。
米大統領選後の米株式相場の動向に対しては意見が分かれた。「バイデン氏勝利で株価上昇」が39%で最も多く、「バイデン氏勝利で株価下落」が28%で続いた。「トランプ大統領再選で株価上昇」は17%、「トランプ大統領再選で株価下落」は9%だった。現状ではバイデン氏の支持率がトランプ氏を上回っているが、バイデン氏が勝利した場合のシナリオについて市場関係者の予想は定まっていない。
調査は国内機関投資家の運用担当者216人を対象に実施し、132人が回答した。
※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細は、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。