QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/08/14)
・新型コロナの影響踏まえ当研究所の今期予想を減額
20/12期上期は前年同期比9%減収、営業26%減益。北米の小売は好調だったが、前年同期に出荷が大きく進んだ反動、新型コロナウイルスによる生産や出荷の遅れの影響が出た。日本や欧州、タイも新型コロナ影響等で苦戦。中国は復調したが、全体で減収となり、工場の損益悪化の影響も出た。会社は未定としていた通期計画を公表(営業利益1500億円)。企業価値研究所は前回の20/12期予想を減額(営業利益1880億円→1550億円)。北米の小売は巣ごもり需要等で好調だが、生産悪化の影響や、新型コロナによる他地域の苦戦も考慮した。
・来期以降の予想も下げるが引き続き改善を見込む
当研究所の21/12期、22/12期予想も減額。新型コロナの生産面の影響等を勘案した。生産の悪化は懸念材料だが、北米での巣ごもり需要等を背景とした出荷の増加、アジア等他地域の売上成長もあり、業績は改善に向かうとみる。業績のアップサイド要因として北米等各国のインフラ投資拡大を注視したい。財務懸念は少ない。自己株取得を進めており、配当は20/12期は横ばいか減配となる可能性があるが、21/12期以降は増加を予想する。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替、気候、規制等
・アナリストの投資判断 ~来期業績見通し踏まえると上値余地
株価は戻り基調にあり、現状の当研究所の20/12期予想PERは18倍程度。現状の機械セクターの平均に比べ低いが、同社の過去3年平均(15倍程度)に対しやや高めの水準となった。当面は新型コロナの各種影響による今期業績の悪化懸念もあり、株価の一段の力強い上昇は見込み難いとみる。ただ、来期業績は回復に向かう見通しで、21/12期予想PERは14倍まで下がる。来期業績の回復が見えてくる段階で、徐々に上値余地が出てくるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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