QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/08/20)
・今期予想は減額。欧州向け四輪車の台数減を想定
企業価値研究所では、21/3期通期の営業利益予想を1450億円→1350億円(前期比37%減)に減額する。CO2排出量規制が強化された欧州で、四輪車の販売台数が減少すると考えたことが背景。注目のインド四輪子会社マルチ・スズキの販売台数は、従来予想を据え置く。7月のインド国内向けの販売台数は、6カ月ぶりに前年同月を上回った。インドにおける新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が、未だ収束する気配がないことには注意を要するが、販売の回復基調が鮮明になってきたことはプラス材料と考えている。
・インド四輪市場は再び高成長に戻るとの見方を継続
続く22/3期以降も、従来予想を小幅減額するが、期を通じて正常な経済活動が可能と想定、営業利益の回復局面へ転じるとの見方を継続する。国内四輪販売の頭打ちに加え、欧州市場のCO2排出量規制強化に伴う罰金、対応コストの増加には注意したい。ただ、インド四輪市場が再び高成長に戻り、マルチ・スズキが業績を牽引するとみている。一方、不安定なインド市場に対する依存度が高いことはリスクと考えており、他の海外市場で収益基盤を構築することが必要との見方も変わらない。
・リスクファクター ~マルチ・スズキへの高依存度など
・アナリストの投資判断 ~PERの割安感薄れ、当面の上値余地は限定的とみる
直近の株価に基づく、期を通じて正常な経済活動が可能と見込んだ翌22/3期の当研究所予想PERは13倍。過去60カ月の平均PER14倍との比較では割安感が薄れてきたため、当面の上値余地は限定的とみる。ただ中期的には、インド四輪市場の高成長への復帰に伴い、緩やかな回復基調をたどると考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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