QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2020/08/21)
・取り扱いが想定を下回り、今期予想を下方修正
1Q決算発表を受け企業価値研究所では、今21/3期の連結業績予想を下方修正。営業利益を520億円→440億円(前期比26%減)とした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞で、貨物の取り扱いが想定を下回っていることを勘案し予想を引き下げた。
前期との比較では、企業の生産や個人消費の低迷により貨物の取り扱いが減少すると想定。輸送需要の落ち込みに対応した外注費などの経費抑制が進むとみるが、営業減益の予想としている。
・来期は輸送需要が回復に向かうと想定
来22/3期の連結業績予想も、取り扱いの想定を引き下げ、従来の見通しを下方修正。営業利益を620億円→580億円(前期比32%増)とした。減額修正ながら前期との比較では、新型コロナウイルスの影響が徐々に解消することや、金利引き下げなど世界各国における景気刺激策の効果で、貨物の輸送需要が回復に向かうと想定。トラックの積載効率の向上など業務効率化の効果もあり、営業増益の予想としている。
・リスクファクター ~景気、競争激化など
・アナリストの投資判断 ~足元はやや割高とみるが、中長期的観点からは上値の余地があろう
直近株価でのPERをみると、新型コロナの影響がほぼ解消するとみる来期の当研究所予想PERは15倍弱と、過去3年の平均(14倍強)を若干上回る。当研究所では新型コロナの影響解消後も、米中貿易摩擦の影響で貨物の輸送需要が伸び悩む懸念があるとみることなどから、株価も過去3年をやや下回る評価が妥当と考えている。足元の株価はやや割高とみており、今後は当面、調整局面を余儀なくされると予想。中長期的観点からは、荷主への営業強化に伴う取り扱いの増加などで着実な利益成長が見込めるため、株価も上値の余地があると考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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