QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/08/25)
・今期予想は減額。新興国と欧州の回復遅れを見込む
会社側は1Q決算発表時(7月31日)に、21/3期通期の業績見通しを公表。連結営業利益は、500億円(前期比11%減)を計画。新型コロナウイルスの影響は大きいが、前期に一過性費用を計上した反動に加え、緊急対策・構造改革を進め、1割程度の営業減益にとどめる考え。具体的には、アイシン精機単体と、乗用車用AT(オートマチックトランスミッション)を手がける連結子会社アイシンAWとの経営統合効果の前倒しを図る。企業価値研究所では、営業利益予想を800億円→650億円(同16%増)へ減額する。新興国や欧州での需要回復の遅れを織り込んだ。ただ会社計画対比では、中国向けATの販売を強めにみて、やや上回る予想とした。
・来期以降はATと電動化製品の拡販が寄与へ
続く22/3期以降の業績予想に関しては、売上収益を減額したものの、現在推進中の緊急対策・構造改革効果が残ると考え、営業利益は据え置くこととした。期を通じて全地域で正常な経済活動が可能と想定。ATと電動化製品の拡販、分社経営からグループ経営への変革による固定費の圧縮などから、増益基調が続く見通しとした。
・リスクファクター ~新型コロナ、中国自動車市場
・アナリストの投資判断 ~利益回復を予想。株価の持ち直し余地は大きいと考える
直近の株価に基づく、期を通じて正常な経済活動が可能と見込んだ翌22/3期の当研究所予想PERは10倍。同社の過去60カ月(多額の一過性費用を計上した20/3期を除く)の平均PER13倍との比較では、割安感がある。今後は、中国自動車市場の回復を映したATの販売伸長、電動化製品の拡大、分社経営からグループ経営への変革による固定費圧縮などから利益回復を予想。株価の持ち直し余地は大きいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。