QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2020/08/31)
・1Q利益率が想定上回るも通期予想は維持
21/3期通期の連結業績に関して企業価値研究所では、売上高1兆5500億円(前期比11%減)、営業利益1100億円(同34%減)の前回予想(20年6月)を据え置く。1Q実績では単体の完成工事(完工)粗利益率が当研究所の想定をやや上回っているが、1Qの利益率はぶれやすい傾向にあるため、現時点では予想を変えていない。
・中期的にも堅調な受注環境を見込んだ予想を維持
続く22/3期の連結業績に関して当研究所では、売上高1兆6800億円(前期比8%増)、営業利益1300億円(同18%増)、23/3期は売上高1兆6600億円(前期比1%減)、営業利益1250億円(同4%減)の前回予想を維持。中期的には堅調な受注環境が継続するとみている。
・1Qは完工粗利益率が改善も、完工減で減収減益
21/3期1Qの連結業績は、前年同期比23%の減収、同32%の営業減益だった。単体の完工粗利益率は改善したが、完工高の減少が響いた。
・リスクファクター ~設備投資需要の減退など
・アナリストの投資判断 ~指標面からは割安感で、株価に戻り余地
株価は17年11月に6620円を付けたあと、株式市場全体の下落などもあって下値を切り下げ、さらに新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、一時3000円を割り込んだ。足元は3000円台半ばの水準で推移している。当研究所では中期的な連結営業利益は1300億円前後と、20/3期(1678億円)に比べると利益水準が切り下がると予想している。新型コロナウイルスの影響で株価も切り下がっており、当研究所の23/3期予想PERは8.5倍にとどまり、建設セクターの予想PER11.4倍に比べると株価に割安感があり、戻り余地があるとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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