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武田薬品工業(4502) TCHC社株式譲渡の影響等を織り込み予想を修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2020/09/01)

・株式売却益約1400億円を今期計上予定
 企業価値研究所予想の21/3期の連結業績は、売上収益が前期比1%減の3兆2680億円、営業利益は同5.4倍の5440億円。武田コンシューマーヘルスケア(TCHC社)の株式譲渡(21年3月末予定)等を織り込み修正。グローバルブランドの伸長を見込むが、一部製品の独占販売期間満了や為替の影響等から減収。シャイアー社買収に係る費用の減少、TCHC社株式売却益約1400億円もあり大幅な営業増益予想。
 続く22/3期は株式売却益計上の反動で営業減益、23/3期はグローバルブランドの伸長や事業再編等による収益性の向上を見込み営業増益を予想する。

・1Qは6%減収、営業利益は3.7倍
 21/3期1Qの連結業績は、売上収益が前年同期比6%減の8019億円、営業利益は同3.7倍の1673億円。為替や前期に実施した複数の事業売却の影響で減収。企業結合会計の影響や買収関連費用が減少し大幅な営業増益。

・リスクファクター ~新薬開発や訴訟など

・アナリストの投資判断 ~市場をアンダーパフォーム
 19年1月のシャイアー社買収以降の株価は、概ね株式相場全般と同様か若干アンダーパフォームして推移。買収による有利子負債や株式数の増加等が敬遠されているようだ。1株当たり年間配当金は180円を維持する方針であり下値不安は乏しいとみるが、株価の上昇にはコスト削減など統合効果を示すとともに、次の成長を担う新薬の開発進展等が必要と考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

真下 弘司

シニアアナリスト

医薬品セクター担当


【プロフィール】
00年から現職。医薬品・医薬品卸等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。また業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点から企業を評価できないか模索中。


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