QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2020/09/03)
・百貨店離れが加速する可能性などを織り込み、利益回復見通しを保守的に見直し
連結営業損益の企業価値研究所予想は業績表の通り。ウィズコロナ、アフターコロナでも富裕層の購買意欲は根強いとみるが、テレワーク定着が都心大型店の集客力やビジネス関連品・化粧品需要に影を落とすほか、家計防衛志向や百貨店非利用への慣れなどにより中間層の百貨店離れに拍車がかかる可能性も。これらを鑑み、来期以降の利益回復見通しを保守的に見直した。来期の連結営業利益は19/3期の3分の1以下にとどまる見通し。
・デジタル活用効果も依然未知数で予想には非反映
売上回復基調の下振れリスクを考慮すれば、早期退職制度再拡充を含む要員体制の徹底的な見直し、不採算店の閉鎖加速、非コア事業からの撤退といった抜本的な構造改革が急務だ。他方、デジタル活用で自宅にいても店舗同様の買物体験ができるシームレスサービスが6月に本格始動。会社側は顧客囲い込み、新規顧客開拓、地方顧客のニーズ取り込みの切り札として期待しているが、当研究所はデジタル活用で百貨店離れに歯止めをかけることができるかは依然、未知数とみて、予想にはその効果を織り込んでいない。
・リスクファクター ~コロナ影響の長期化など
・アナリストの投資判断 ~PBRはリーマンショック時下限を下回り、下値リスクは限定的
実績PBRは0.4倍。リーマンショック時の下限0.5倍を下回るため、下値リスクは限定的とみる。会社側が抜本的な構造改革を打ち出せるかが株価動向を左右すると考えられ、ウィズコロナ、アフターコロナでの消費行動の変容と合わせて、今後の動向を注視していきたい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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