QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/11/12)
・今期業績予想を増額。利益は会社計画比強めを予想
21/3期上期は前年同期比9%減収、営業22%減益だったが、販売の上振れやコストダウン進展で会社計画線を上回り、会社は10月公表の通期計画を上方修正(営業利益1980億円→2100億円)。企業価値研究所も21/3期予想を増額する(営業利益2000億円→2200億円)。業務用空調の苦戦やアジアの低迷は懸念されるが、コロナ禍の巣ごもり需要に伴う住宅用空調の順調な回復や、空気の質・換気への意識の高まりを背景とした空気・換気製品の拡販の進展、コストダウンの進展等を勘案した。会社計画に対してはやや強めの利益水準を見込む。
・来・再来期予想も増額。業績は成長軌道に回帰へ
当研究所は22/3期、23/3期予想も増額。住宅用空調や空気・換気製品の販売上振れ等を想定した。引き続き来期以降は増収増益基調となり、成長軌道に戻るとみる。中国、欧米、アジアなどの海外空調事業の成長が牽引役になると想定。空気・換気製品の売上規模拡大、化学事業の回復等も見込む。財務面の懸念は少ない。21/3期は減益見通しながら配当は前期と同額を会社は計画。22/3期以降の配当は利益成長に伴い増加を見込む。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替、天候など
・アナリストの投資判断 ~空調需要上振れや業績成長期待等背景に堅調推移を予想
株価は直近で大きく上昇し、現状の当研究所の21/3期予想PERは約46倍で、同社の過去3年平均(26倍程度)と比べ高い。23/3期予想PERでみても30倍強と高く、利益見通しを踏まえるとやや割高感がある。ただ、世界的な巣ごもり需要や換気ニーズの高まりを背景とした空調需要の上振れ期待、中期的な業績成長や配当増加への期待等を背景に、株価は堅調推移が続くとみており、当面は大幅に上昇した現状水準で値を固める展開を見込む。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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