QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2020/11/24)
・今期営業利益予想を53%減の59億円へ13億円減額
21/3期上期の営業利益は前年同期比56%減の23億円だった。新型コロナウイルス感染症の影響でテレビ広告需要が落ち込んだうえ、コンサートやイベント中止の影響も強かった。
企業価値研究所は21/3期の営業利益は前期比53%減の59億円へと13億円減額した。上期実績でテレビ広告収入やイベント収入などで新型コロナウイルス感染症の影響が予想より強かった。来22/3期の営業利益は同83%増の108億円の予想。同感染症は徐々に収束に向かうことを前提とした。また、東京五輪開催効果も期待できる。ただ、同五輪の放映権料の負担は重い。また、テレビ広告市場は成熟化している。コンサートやイベントなどの非放送事業の業績回復は進むとみるが、主力のテレビ放送事業の低迷で連結全体の利益水準回復は鈍いとみている。
・自己株式取得計画、通販会社の買収を公表
上期決算の発表にあわせて35億円規模の自己株式取得計画を公表。また、自社開発の健康・美容製品の通信販売を手掛けるイッティを買収することも明らかにした。
・リスクファクター ~景気低迷長期化、視聴率低下等
・アナリストの投資判断 ~「株価の上値重く当面現値水準で推移」との判断継続
当研究所は「株価の上値は重く、当面は現値水準で推移する」との判断を継続する。足元の実績PBRは0.50倍で過去5年平均の0.63倍を大きく下回っている。株価は相応のリスクを織り込んだようだ。一方ではテレビ広告市場は成熟化しており、新型コロナウイルス感染症が収束に向かってもテレビ広告需要の本格回復は期待し難い。株価水準の回復にも時間がかかり、当面の株価は現値水準で推移するとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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