QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/11/26)
・会社側の下期の損益計画は保守的とみる
21/3期通期の連結営業損益計画について会社側は、上期決算発表時(11月12日)に、4700億円の赤字→3400億円の赤字(前期は405億円の赤字)へ上方修正した。従来想定より需要が早く回復していること、販売費用の削減に加え、失業率改善による貸倒引当金の戻し入れによる販売金融事業の採算改善などを織り込んだ。企業価値研究所も、販売金融事業の採算改善などを見込み、もともと強めだった営業損益予想を、2900億円の赤字→2500億円の赤字に見直す。固定費削減の進捗から下期の会社計画は保守的とみて、引き続き強めの予想とした。続く22/3期は、「ローグ」など新型車の本格的な投入効果などから、営業黒字に転換するとの見方を継続する。
・米国事業における今後の新型車の収益性に注目
同社は5月に、新たな事業構造改革計画(21/3期から24/3期までの4カ年計画)を発表、生産能力の20%削減、3000億円の固定費削減を進める一方、日本、中国、北米の市場に集中する。上期決算発表時には、おおむね順調に進捗していると会社側は説明した。当研究所では、同社の最重要課題は米国事業の立て直しとの見方に変更はない。今後の新型車の収益性に注目したい。
・リスクファクター ~米国事業の立て直し
・アナリストの投資判断 ~PERで割高感。当面の株価回復は限定的とみる
直近の株価に基づく、生産能力や固定費の削減がおおむね完了すると見込んだ23/3期の予想PERは11倍。同社の過去60カ月(多額の一過性費用を計上した20/3期を除く)の平均PER9倍との比較では、割高感があり、当面の株価回復は限定的とみる。一段の株価上昇には、新型車の収益性改善が確認される必要があろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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