QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/12/04)
・製品構成の改善見込み会社計画よりやや強めを予想
会社側は3Q決算発表時(11月5日)に、20/12期通期の連結事業利益(売上収益から売上原価と販管費を控除して算出)計画を、200億円→310億円(前期比43%減)へ上方修正している。中国や北米などでタイヤ需要の回復が想定より早いことや、経費の削減、原材料価格の低下なども踏まえたとしている。企業価値研究所では、もともと強めだった事業利益予想を、250億円→340億円(同37%減)に増額する。高機能タイヤのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)用「ワイルドピーク」シリーズの販売が、北米で予想以上に好調なため。4Qは新車用と比較して採算の良い市販用の構成比率上昇による利益面でのプラスを想定、会社修正計画よりやや強めの予想とした。
・来期以降も高機能SUVタイヤの拡販が続く見通し
21/12期以降も、北米のタイヤ販売本数引き上げを主因に、従来予想を増額。新型コロナウイルスの影響長期化には注意を要するが、期を通じて正常な経済活動が可能と想定、事業利益の回復を予想する。欧米で成長余力があるとの見方を継続、高機能SUVタイヤを中心とした拡販を見込んだ。生産性の向上が課題の米国工場と南アフリカ工場も、徐々に採算が改善する見通しとした。
・リスクファクター ~新型コロナ、稼働率、原材料価格
・アナリストの投資判断 ~高機能タイヤの拡販に期待。上値余地は大きいとみる
直近の株価に基づく翌21/12期の当研究所予想PERは7倍。同社の過去60カ月の平均PER10倍との比較では、割安感がある。当面は、新型コロナの影響長期化には注意を要するが、北米での高機能SUVタイヤの拡販による来期以降の利益回復を予想、上値余地は大きいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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