QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/12/10)
・今期純利益予想をやや増額。営業利益予想は継続
20/12期3Q累計は前年同期比微減収、営業11%減益。アジアでは中国の需要回復もあり売上高が伸長したが、日本での高付加価値品の需要減少などが響いた。2Q業績は改善していたが、3Q業績は日本の需要停滞、ファーウェイ関連の需要減速等で弱含んだ。会社側は上期決算時公表の営業利益計画(24億円)を据え置いたが、有価証券売却益計上で純利益計画を増額(18億円→20億円)。企業価値研究所は20/12期の営業利益予想(27億円)を据え置き、純利益予想は増額する(20億円→22億円)。3Q業績は停滞気味だったが、4Qの需要回復の見通し、有価証券売却益等を考慮した。21/12期、22/12期の当研究所予想は継続。21/12期から業績回復を予想。外部環境の改善や5G、車載関連等の需要増を見込む。
・高い財務健全性を維持。株主還元は高水準
自己資本比率は90%超の高水準を維持。1株当たり年間配当金は、19/12期は減益ながら18/12期と同じ60円とし、20/12期も会社は同額を見込む期初計画を維持する。財務面を踏まえると、株主還元は高水準が維持される見通しで、減配リスクは低いとみる。
・リスクファクター ~新型コロナ、電子機器の需要等
・アナリストの投資判断 ~割高感薄い。堅調推移を予想
現状の当研究所の20/12期予想PERは約24倍、実績PBRは約1倍。同社の過去3年平均(PER約22倍、PBR約1.1倍)をPERで上回るが、PBRでは下回る。来期以降の利益回復に伴うPERの低下余地も踏まえると、割高感は薄いとみる。5G関連の需要拡大や自動車生産の回復等を背景とした業績の回復、高水準の株主還元への期待等を背景に、当面堅調な株価推移が続く予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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