QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2020/12/16)
・販管費の増加で今期は営業減益予想
企業価値研究所予想の21/3期の連結営業利益は前期比1%減の186億円。新型コロナの影響を受けたが上期の業績は概ね順調に推移しており前回予想を据え置く。医療用漢方製剤は数量ベースでは安定した成長を見込むが、国内薬価改定の影響と販管費の増加で営業減益予想。
続く22/3期と23/3期の連結営業利益予想も変更なし。22/3期が同8%増の200億円、23/3期は同4%増の208億円。医療用漢方製剤の安定した成長に加えて、20年3月に連結子会社化した盛実百草(中国)の利益貢献(21/3期は収支均衡)を見込み増益を予想する。
・上期は5%増収、14%営業増益
21/3期上期の連結業績は、売上高が前年同期比5%増の640億円、営業利益は同14%増の111億円。薬価改定や新型コロナの影響で医療用漢方製剤は微増にとどまったが、盛実百草の新規連結等が寄与し増収。活動自粛に伴う経費の未消化で2桁の営業増益。
・リスクファクター ~医療制度、原料調達など
・アナリストの投資判断 ~株価上昇には漢方の着実な成長等が必要
株式相場全般はバブル崩壊以降の高値水準で推移しているが、同社は足元3300円前後。17年6月につけた上場来高値4745円の7割程度の水準。株価の持続的な成長には、国内医療用漢方製剤の着実な成長、成長ドライバーと位置付ける中国事業(現在は販売体制構築のためM&Aを交渉中)のビジネスモデルを示す必要があろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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