QUICKのプロ向けコメントサービス「QUICK Market Eyes」が1月11~15日に配信した、株主優待の制度変更などを受けた株価の反応の記事をまとめました。(Money Worldの株主優待ページはコチラ)
ロコンド― 21年2月期末に配当実施へ 配当性向10%めど、額は未定(更新日時:2021/01/15 09:29)
靴や衣料品の通販サイトを展開するロコンド(3558、マザーズ)は14日、2021年2月期末に配当を実施すると発表した。実施額は未定だが、配当性向10%を目安に実施する。財務基盤が安定し、還元に振り向けることが可能だと判断した。
株主優待制度についても変更する。基準日を2月末の年1回に減らすほか、優待の条件に1年以上の継続保有の要件を加える。また、これまで100株以上を保有する株主に一律で2000円の割引クーポンを配布していたが、1回15%割引(割引額の上限は4万5000円)になるクーポンを、保有株数に応じて贈呈する。変更は21年2月末を基準日とする優待から適用する。
同日発表した20年3~11月期の連結決算は、最終損益が8億3600万円の黒字(前年同期は2億800万円の赤字)だった。新型コロナウイルス感染症の影響でEC(電子商取引)を通じて衣料品などを購入する動きが強まっている。
売上高は同18%増の75億円だった。ロコンドはショッピングモールサイトで買い取り型と受託型で商品を取り扱う。商品販売や手数料から成るECモール事業の商品取扱高(返品後ベース)は前年同期比16%増の120億円だった。
スター・マイカHD―急落 今期減益・減配見通しで、株主優待も廃止(更新日時:2021/01/14 10:22)
中古マンションの賃貸運営や改修・販売を手掛けるスター・マイカ・ホールディングス(2975)が急落。一時下落率は15%強に達し、東証1部の値下がり率ランキングで現在上位に入っている。13日に発表した2021年11月期の連結業績予想は、純利益が前期比9%減の15億円となる見通し。減益予想になった上、年間配当も26円と、前期から6円の減配を見込んでおり、業績の踊り場入りへの見方から失望売りが優勢となっている。併せて100株以上の株主を対象に一律1000円のクオカードを贈呈していた株主優待についても廃止を決定したことも個人を中心に売り材料になっている。20年11月末時点の株主を対象とした優待が最後となる。
リノベーションマンションの需要は根強いものの、新型コロナウイルス感染症の影響で再び首都圏の一部に緊急事態宣言が発令されており、マンション販売が一時的に鈍化する影響などを考慮したほか、販管費の増加も響く。
同日、22年11月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標の取り下げを発表した。新型コロナによる事業環境の変化を考慮し、販売用不動産の積み上げペースをやや鈍化させることや、収益用不動産の売却計画を見直すことに伴い、計画達成の時期が遅れる見通しとなった。
ライク―大幅安 今期予想据え置きで出尽くし感、優待基準の見直しも(更新日時:2021/01/13 12:54)
保育サービスや人材派遣のライク(2462)が大幅安の展開。一時下落率は7%近くに達した。12日に発表した2020年6~11月期の連結決算は、営業利益が前年同期比45%増の11億円だった。ただ、21年5月期の連結業績予想は据え置いており、株価も高値圏にあったことから目先の材料出尽くし感が意識されたもよう。
保育関連サービスが増収増益となったほか、人材派遣関連の事業もアパレル販売やイベント関連が新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ一方、コールセンターや建設関連で好調だった。同日発表した中期経営計画では、最終年度の25年5月期に売上高で700~830億円、営業利益で50~65億円の数値目標を示した。
また、株主優待制度についても見直す。対象を200株以上から300株以上に引き上げ、保有株数の区分も見直した。株主優待ポイントの発行総額を、翌年の連結営業利益予想の1.5%を上限とする方針も示した。収益環境が悪化した際、収益影響を軽減する方針のようだ。
ポプラ― 一段安 21年2月期は12億円の最終赤字、株主優待制度を廃止(更新日時:2021/01/12 14:14)
ポプラ(7601)が一段安。
コンビニエンスストアチェーンのポプラ(7601)は12日午後2時に、予想をいったん取り下げ未定としていた2021年2月期連結決算の業績予想を開示し、最終損益は12億1000万円の赤字(前期は3億3000万円の赤字)を見込むとした。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響や、ローソン・ポプラへの店舗転換の日程が確定し1月以降に対象店舗が改装のため休業になることを勘案したとしている。改装期間中の休業補償や在庫処分費用などの経費計上も最終損失につながるとしている。
併せて株主優待制度を廃止すると発表した。店舗形態の変更や出店形態の変化により優待券を使用できる店舗数が減少したため、株主優待制度の在り方を検討。事業構造改革の推進により早期の業績回復を図るとした。20年8月末割当の買い物優待券の発行を最終にするとした。
同時に発表した20年3~11月期連結は、最終損益が8億円の赤字(前年同期は12億円の黒字)だった。
<金融用語>
株主優待とは
株主優待とは、株主に対し、株主還元策の一環として、持ち株数に応じて自社製品や優待券、回数券などを無料で配布する制度。株主優待を受け取るには、「権利確定日」に株主である必要がある。