QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2021/01/22)
・前期は大幅減収減益も終盤に回復。今期は回復予想
20/11期業績は前期比18%減収、営業利益は同57%減の84億円で着地。終盤に回復したが、3Qまで新型コロナウイルスの影響を受け減速したことが響いた。企業価値研究所は21/11期業績を増収増益と予想(営業利益の予想は140億円)。需要の回復を踏まえ前回から予想をやや増額、会社計画(営業利益115億円)に対し強めの水準を見込む。中国での回復の強まりや、他地域への回復の拡がり等を勘案した。航空機関連ビジネスは停滞を見込むが、業績全体では自動車産業向けや中国向けを軸に回復を予想する。会社計画は利益が保守的とみる。
・来・再来期と業績回復を予想。新社長の方針に注目
当研究所は22/11期、23/11期と業績回復が続くと予想。航空機関連ビジネスは停滞継続を見込むが、業績回復の大きな阻害要因にならないとみており、自動車産業や中国向けの回復を背景とした工具需要の伸長を見込む。今般14年振りの社長交代となるが、当面は新社長の経営方針にも注目したい。株主還元の目途は配当性向30%以上。21/11期は小幅増配計画だが、増額の可能性も。22/11期以降の配当は増益に伴い増加を見込む。
・リスクファクター ~新型コロナ影響長期化、為替等
・アナリストの投資判断 ~割高感薄い。業績回復期待を下支えに堅調推移を予想
株価は昨年後半から上昇。現状の当研究所の21/11期予想PERは約21倍で、同社の過去3年平均(約17倍)を上回る水準にある。ただ、現状の製造業、機械セクターの平均予想PERは大きく上昇しており、当研究所の22/11期予想PERが約16倍まで下がることも踏まえると、割高感は薄いとみる。株価は業績回復や配当増加への期待を下支えに、当面堅調な推移が続くと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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