QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2021/01/27)
・当研究所は今期47%営業増益予想へ再度増額
会社側は3Q決算発表時(1月25日)に、21/3期通期の連結営業利益計画を1400億円→1550億円(前期比43%増)へ上方修正した。営業利益の上方修正は今期2度目。精密小型モータで家電、IT機器、ゲーム機などの新規需要を取り込んだほか、徹底した原価低減や固定費の適正化といった「WPR(ダブル・プロフィット・レシオ)4」プロジェクトの推進が奏功、3Q実績が想定を上回ったことを織り込んだとしている。企業価値研究所では、3Q3カ月の収益性が更に改善したことを評価、やや強めだった営業利益予想を、1430億円→1600億円(同47%増)へ再度増額する。4Qも、「WPR4」プロジェクトの推進継続で、会社計画を上振れる余地はあるとみている。
・精密小型モータは省エネ、ブラシレス化が追い風に
22/3期以降の営業利益予想も増額。22/3期に営業利益で過去最高を更新するとの見方に変更はない。積極的な受注活動に邁進しているBEV(電気自動車)用トラクションモータシステムに加え、精密制御で省エネルギーに貢献するモータのブラシレス化を追い風に、精密小型モータの成長力も高いと評価している。
・リスクファクター ~創業者に依存する経営体制
・アナリストの投資判断 ~成長期待が大きい。中期的に緩やかな上昇を予想
直近の株価に基づく22/3期の予想PERは、55倍。同社の過去60カ月(一過性費用を計上した20/3期を除く)は、おおむね21~64倍と広いレンジで推移している。当面は、上場来高値を更新し上昇ピッチも速いため、利益確定売りに押される展開も想定される。ただ中期的には、受注が拡大するBEV用トラクションモータシステムや、モータのブラシレス化を追い風とした精密小型モータの成長期待が大きく、緩やかに上値を追う展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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