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日東電工(6988) 想定以上の需要拡大と合理化進展で業績予想を再度上方修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2021/01/28)

・オプトロニクス部門を中心に今期は大幅増益に
 21/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益7250億円→7620億円(前期比3%増)、営業利益770億円→930億円(同33%増)へ引き上げる。今期は当初、自動車減産などの影響でインダストリアルテープ部門が落ち込み、連結全体で減益になると想定。その後、自動車生産の回復など受けて増益見通しに変更していた。3QはノートPC向け製品や自動車向け製品の需要が想定以上に伸び、合理化効果と合わせて業績が拡大。4Qも堅調な推移が見込まれるため、オプトロニクス部門を中心とした大幅増益予想に再度上方修正した。続く22/3期以降は、低採算製品の縮小などで売上収益は伸び悩むものの、高付加価値製品の数量増と合理化進展で利益は着実に増加する見通し。

・3Qまで事前の想定を上回る大幅な増益に
 21/3期3Q累計の連結営業利益は前年同期比26%増の759億円。オプトロニクス部門が総じて好調に推移したほか、インダストリアルテープ部門も3Qに利益水準が大きく向上し、連結全体で大幅な増益に。当研究所が事前に想定していた650億円との比較でもこれを上回った。

・リスクファクター ~新型コロナ影響の長期化など

・アナリストの投資判断 ~株価は引き続き堅調に推移し、上場来高値も更新へ
 同社の株価は20年夏場以降大幅に上昇。3Qの好決算を受け、1月27日には1万円を上回った。急激な上昇に伴う高値警戒感も出ているが、当研究所の来期予想連結PERは直近で約20倍と、電子材料メーカーの平均を下回り、依然割高感はない。ノートPC向け製品の好調や自動車向け部材の構造改革進展で業績は当面拡大を続ける見込みで、電子材料メーカーの平均や同社の過去の水準を上回る、同25倍程度の評価は可能だろう。株価は引き続き堅調に推移し、上場来高値の11750円を更新できると考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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