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東日本旅客鉄道(9020) 輸送需要の低迷で今期は営業赤字ながら、来期は黒字への転換を見込む

QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2021/02/10)

・新型コロナの感染再拡大で従来予想を下方修正
 3Q累計決算発表を受け企業価値研究所では、今21/3期の連結業績予想を下方修正。営業損失を4570億円→5350億円(前期は3808億円の利益)とした。新型コロナウイルスの感染再拡大で、鉄道の利用が想定を下回っていることを勘案し予想を下方修正した。前期との比較では、観光客や通勤客の減少で輸送需要が低迷すると想定。人件費や修繕費などの費用抑制が進むとみるが、営業赤字へ転落する予想としている。
 来22/3期の連結業績予想も、鉄道の利用想定を引き下げ、従来の見通しを下方修正。営業利益を2460億円→1680億円とした。減額修正ながら前期との比較では、ワクチンの普及などで新型コロナウイルスの影響が徐々に解消し、輸送需要が回復に向かうとみて、営業黒字へ転換する予想としている。

・3Q累計は新幹線、在来線ともに利用が落ち込み
 21/3期3Q累計の鉄道運輸収入は前年同期と比べ49%減少。外出自粛の影響で新幹線、在来線ともに利用が落ち込み大幅減収を余儀なくされた。

・リスクファクター ~大規模地震の発生など

・アナリストの投資判断 ~足元で特段の割高感はなく、中長期的観点から水準を切り上げる展開を予想
 直近株価での実績PBR(21/3期3Q末BPSベース)は1.03倍と、過去3年の平均(1.15倍)を下回る。ただ、当研究所では、新型コロナウイルスの影響解消後もテレワークの普及に伴う通勤客の減少で輸送需要が伸び悩むとみることなどから、株価も過去3年を下回る評価が妥当と考えている。足元の株価は特段の割高感のない水準にあるとみており、今後は中長期的観点から、新型コロナウイルスの影響解消を見極めながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

唐木 健至

シニアアナリスト

運輸セクター担当

 

【プロフィール】

早稲田大学政治経済学部卒。野村総合研究所入社。その後、国内のコンサルティングファームをへて、2006年、QBR(現QUICK企業価値研究所)入社。企業アナリストとして、運輸セクターを担当、現在に至る。

 

日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 運輸専門部会 評価実施アナリスト


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