QUICKのプロ向けコメントサービス「QUICK Market Eyes」が2月15~19日に配信した、株主優待の制度変更などを受けた株価の反応の記事をまとめました。(Money Worldの株主優待ページはコチラ)
ナルミヤ― 5%超の上昇 株主優待制度の変更を好感(更新日時:2021/02/17)
ブランド子供服の企画・販売を手がけるナルミヤ・インターナショナル(9275)が大幅続伸。株主優待制度の変更で、使い勝手が良くなったことが好感されたようだ。
ナルミヤは16日、投資魅力の向上と中長期的な保有促進を目的に株主優待制度を変更すると発表した。保有株式に応じて、従来は1~5枚の割引券(10%オフ)を贈呈していたが、2~8枚の買物優待券(1000円分)に変更する。有効期限は6月からの1年間で、直営店舗およびEC(電子商取引)サイトで利用が可能となる。
藤久―大幅安 今期利益上振れも、下期の収益鈍化で(更新日時:2021/02/16)
手芸用品店の藤久(9966)が大幅安。一時下落率は11%強に達し、東証1部の値下がり率ランキングで上位に入っている。15日に2021年6月期の利益予想の上方修正を発表した。ただ、今下期(21年1~6月期)は今上期(20年7~12月期)に比べ収益改善が鈍化するとの見方から売り圧力が強まっている。
21年6月期の税引き益は前期比3倍の8億5000万円に拡大する見通し。従来予想を2億5000万円上回る。新型コロナウイルス拡大に伴う手作りマスク材料の特需は一巡しつつあるものの、コスト削減が進展する。ただ、上期が8億2300万円の最終黒字(前年同期は13億円の赤字)だったのに対し、通期予想から差し引きすると下期の税引き益は前年同期比98%減の2700万円にとどまる見通しとなっている。
なお、同日記念株主優待の実施を発表した。20年12月末時点で100株以上を保有する株主を対象に会員サービスの入会費を無料とする。
LAHD―ストップ高 今期営業益87%増の見通し、中期経営計画を発表(更新日時:2021/02/16)
リノベーション物件の賃貸や販売などを手掛けるLAホールディングス(2986、ジャスダック)がストップ高(制限値幅の上限)まで買い進まれ、上場来高値を更新している。後場は同水準で買い気配となっている。15日に発表した2021年12月期の連結業績予想で、営業利益は前期比87%増の21億円に拡大する見通し。収益拡大への期待感から買いが集まっている。
同日発表した23年12月期までの中期経営計画では、最終年度に営業利益で28億円を目指すほか、ROE(自己資本利益率)で20%以上、配当性向30%以上を目標とした。収益拡大への道筋が示されたことも買い安心感につながったもよう。既存事業の強化に加え、再生可能エネルギーやデジタルトランスフォーメーション(DX)などへの投資といった新規事業への取り組みも進める。
また株主優待制度は廃止する。1000株以上を保有する株主を対象にホテル宿泊割引券の優待を実施していたが、公平性の観点から配当に集約することとした。
同社は不動産会社ラ・アトレの持ち株会社制の移行に伴い、20年7月にジャスダックに上場した。
ワタミ― 6%超の下落 今期営業赤字・無配転落に株主優待改悪で(更新日時:2021/02/15)
居酒屋大手のワタミ(7522)が大幅安。今期予想を初めて開示し、営業赤字および無配転落や株主優待の改悪を嫌気した売りが出たようだ。
ワタミは12日に初めて開示した2021年3月期予想は、売上高が前期比31.3%減の623億円、営業損益は99億5700万円の赤字(前期は9200万円の黒字)に転落する見通し。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、主力の居酒屋の既存店売上高が大きく落ち込んだことが響く。業績悪化を踏まえ、未定としていた配当は無配とした。
また、株主優待制度の変更も発表した。新型コロナによる時限措置として5月発行の優待券の有効期間は1年間(従来は半年間)に延長したうえ、1枚500円の優待券の贈呈枚数を若干増やした。ただ、優待の利用は1人につき1回1枚(従来は利用無制限)、ランチタイム利用不可となり、使い勝手が悪くなったとみられる。
ライトアップ― ストップ高気配 上方修正・株式分割・株主優待新設などで(更新日時:2021/02/15)
経営コンサルサービス提供のライトアップ(6580、マザーズ)がストップ高水準で買い気配。今期業績予想の上方修正に加えて、株式分割や株主優待の新設発表などポジティブ材料が相次いだことが好感されたようだ。
ライトアップは12日、2021年3月期単独業績予想の上方修正を発表した。売上高は20億9100万~21億3700万円(従来予想は20億8900万円)、営業利益は5億6900万~6億4100万円(同4億500万円)に引き上げた。収益の大部分を占めるDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューション事業の好調が寄与した。ただ、第4四半期に収益計上が変調する傾向が強く、作業進捗にかかる不確実性を考慮してレンジ予想にしたとしている。
また、3月末時点の株主に対して1対2の株式分割を実施すると発表した。さらに株主優待制度を新設すると発表した。毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、同社の主力サービスである「Jコンサルティングサービス」および「Jシステム」の20%割引、個人向け経営シミュレーション研修「カンパニーゲーム」を3カ月無料で提供する。
<金融用語>
株主優待とは
株主優待とは、株主に対し、株主還元策の一環として、持ち株数に応じて自社製品や優待券、回数券などを無料で配布する制度。株主優待を受け取るには、「権利確定日」に株主である必要がある。
ワタミの優待の内容は「利用枚数制限無し」→「お一人様 1 回1枚(500 円)までの利用」、「ランチタイム利用可」→「利用不可」に変更。これはつらい、つらすぎる。お通しをカットしてコブサラダを頼めば500円程度で出られるが、それはそれでつらい。100株保有の場合は年2回の計16枚もらえるが、全部使うとなると二人で8回、一人だと16回も店に行かないといけない。1000株の場合は計60枚! #外食