QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2021/03/18)
・新型コロナの影響等を織り込み予想を修正
企業価値研究所予想の21/3期の連結営業利益を186億円→194億円(前期比3%増)と修正。新型コロナの影響で風邪関連処方が低調に推移しており売上高を減額したが、販管費の未消化から営業利益は増額。従前は薬価改定や20年3月に連結子会社化した盛実百草(中国)の影響等から営業減益を予想していたが、増益予想に見直した。
続く22/3期と23/3期の連結営業利益予想も21/3期の修正を踏まえて小幅増額。医療用漢方製剤の中長期的な数量伸長率を保守的に見直したが、21年4月の薬価改定の影響がなかったことも寄与する。
・3Q累計は5%増収、9%営業増益
21/3期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比5%増の995億円、営業利益は同9%増の176億円。薬価改定や新型コロナの影響で医療用漢方製剤は前年同期並みにとどまったが、盛実百草の新規連結等が寄与し増収。活動自粛に伴う経費の未消化で営業増益。
・リスクファクター ~医療制度、原料調達など
・アナリストの投資判断 ~国内医療用漢方製剤、中国事業に注目
株価は足元3900円前後、昨年来の高値圏で推移。株式相場全般の上昇に加えて、医療用医薬品市場がマイナス成長で推移するなか、同社の医療用漢方製剤は安定成長していることが評価されたようだ。株価の持続的な上昇には、国内医療用漢方製剤の着実な成長、成長ドライバーと位置付ける中国事業(現在は販売体制構築のためM&Aを交渉中)のビジネスモデルを示す必要があろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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