QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2021/08/04)
・好調な出足を踏まえ当研究所の22/3期予想増額
21/3期は中国での回復進展、世界的な回復の拡がり等を受け後半に受注、業績が回復。22/3期1Q業績も前年同期比、直前四半期比で増収増益と回復が続いた。会社は期初公表の22/3期計画を上方修正(通期営業利益1484億円→1944億円)。企業価値研究所も22/3期予想を増額(営業利益2000億円→2200億円:前期比96%増)。1Q受注の想定以上の強さを勘案した。受注の強さの背景には、先行発注や一時的需要もあるが、基本的には世界的な景気回復や、自動化投資拡大の動きがあるとみる。会社の修正計画は為替想定含め保守的とみる。
・受注の強さ等踏まえ23/3期、24/3期予想も増額
当研究所の23/3期、24/3期業績予想も増額。受注の強さや景気、生産の回復の後ずれの可能性等を考慮した。対前期比では業績の続伸、高水準の業績の継続を見込む。世界的なIT・EV関連の自動化投資拡大、地域的な拡販の拡がり等を予想。固定費負担は高止まりする見通しだが、営業利益率も改善を見込む。財務健全性は高く、配当は連結配当性向60%の方針。22/3期以降の配当は増加基調を予想。株主還元は高水準と評価する。
・リスクファクター ~半導体等の部品不足、為替等
・アナリストの投資判断 ~業績回復期待織り込みつつ徐々に上値試す展開を予想
株価は昨年来上昇したが、今年に入り高値圏で一進一退に。当研究所の22/3期予想PERは27倍台となり、関連する機械や電気機器セクターの現状の平均を上回る。ただ、同社の過去5年平均(15年~19年)の35倍程度は下回る。当研究所の23/3期予想ベースのPERはさらに下がることを踏まえ、引き続き割高感は薄い水準とみる。株価は業績回復、株主還元強化への期待を織り込みつつ、現状水準から徐々に上値を試す展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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