QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2021/12/07)
・上期実績などを踏まえ、通期利益予想を減額修正
22/3期通期の連結業績に関して企業価値研究所では、上期実績や会社計画、足元の事業環境などを踏まえ、売上高は前回予想(21年8月)の1兆5700億円を据え置くが、営業利益は前回予想から100億円減額の850億円に見直した。
・大型工事の採算低下で、中期的な利益予想も減額
続く23/3期の連結業績に関しても当研究所では、売上高は前回予想の1兆6000億円(前期比2%増)を維持するも、営業利益は150億円減額の850億円(同横ばい)に修正。24/3期も売上高は1兆6300億円(同2%増)を維持するが、営業利益は200億円減額の900億円(同6%増)に修正。手持ちの大型工事の採算も低下しているとの見方から、利益予想を引き下げた。
・上期の単体建築工事の粗利益率は5.6%と低水準
22/3期上期の連結業績は、売上高が6456億円、営業利益が105億円だった。単体の建築工事の完成工事(完工)粗利益率が5.6%と低水準にとどまった。
・リスクファクター ~労務費上昇、設備投資需要減退
・アナリストの投資判断 ~主力建築工事の完工粗利益率改善までは上値重い
株価は20年2月には1100円台で推移していたが、新型コロナ影響で同年3月にかけて714円まで急落。その後は相場全体の戻り局面で900円台半ばまで戻したが、足元は22/3期上期決算を受けて再び800円を割り込み、700円台前半まで下げて推移している。当研究所では今回、同社の中期的な連結営業利益予想を引き下げた。同社主力である建築工事の単体完工粗利益率を7%近辺に引き下げたことが要因。同社としては低水準であり、建築工事の完工粗利益率改善、開発投資の回収が進むまでは上値も重い展開が継続すると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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