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アステラス製薬(4503) 条件付対価公正価値変動の影響等を織り込みで予想を修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2021/12/16)

・増収・増益基調続くとの見方を継続
 企業価値研究所予想の22/3期の連結営業利益は前期比71%増の2320億円。2Qに計上した条件付対価公正価値変動の影響を織り込み減額。前立腺がん治療剤「XTANDI」や急性骨髄性白血病治療剤「ゾスパタ」など重点戦略製品の伸長、21/3期との比較では減損損失等が減少することもあり大幅な営業増益予想。
 続く23/3期と24/3期の当研究所予想は前提為替を見直したことを主因に増額。「XTANDI」や重点戦略製品の貢献等から増収・増益基調が続くとサマリーの見方を維持する。

・上期は6%増収、4%営業増益
 22/3期上期の連結業績は、売上収益が前年同期比6%増の6517億円、営業利益は同4%増の902億円。「XTANDI」や重点戦略製品の伸長等から増収だが、販管費や研究開発費の増加でコア営業利益は減少。減損損失の減少などその他の収益・費用の改善で営業利益は増加。

・リスクファクター ~医療費抑制や副作用など

・アナリストの投資判断 ~次の成長を担う新薬の開発進展が必要
 21年5月に「経営計画2021」(26/3期までの5カ年)を発表。意欲的な成果目標の達成により26/3期に時価総額7兆円以上の達成が可能になるとした計画が評価され発表前1600円前後で推移していた株価は6月28日に年初来高値となる2025円を付けた。その後は1Qの決算発表において通期計画を下方修正したこともあり調整したが足元は1800円前後。株価の上昇には重点戦略製品の市場浸透、「XTANDI」の次を担う新薬の開発進展などが必要となろう。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

真下 弘司

シニアアナリスト

医薬品セクター担当


【プロフィール】
00年から現職。医薬品・医薬品卸等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。また業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点から企業を評価できないか模索中。


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