QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2022/01/14)
・期末にかけて大胆な構造改革発表に期待
連結事業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。百貨店の売上回復シナリオは殆ど変えていないが、固定費削減を主因に前回予想から小幅増額した。今期の構造改革では2Qの専門店子会社譲渡に続き、先般、人材派遣子会社の一部譲渡を発表。会社側が期初段階で見込んでいた構造改革費用60億円は殆ど未消化なだけに、期末にかけて更に大胆な構造改革発表が期待される。ただし、百貨店売上高はコロナ前に戻らないとみており、24/2期連結事業利益予想は385億円と、「完全復活」を目指す会社中計目標440億円との乖離は大きい。
・ハイブリッド化によるビジネスモデル変革に注目
富裕層向け売上高は今後も拡大する見通しだが、テレワーク定着やカジュアル化、「コト消費」への移行加速、「団塊の世代」の後期高齢者入りなどから中間層の百貨店離れに歯止めがかからない見込み。免税売上高も楽観視できない。こうした環境下で百貨店の利益回復を目指すには、定借化により魅力的な売場作り、要員構造改革、収益安定化などが見込まれるハイブリッド化が不可欠。中計期間中に着手する名古屋のハイブリッド化によるビジネスモデル変革に注目している。中長期では会社側が成長ドライバーと位置づけるデベロッパー戦略にも要注目。
・リスクファクター ~コロナ影響の長期化など
・アナリストの投資判断 ~構造改革次第で株価の水準訂正に繋がる可能性も
当研究所予想に基づく来期のPBRは0.76倍、PERは15倍と割高感はない。会社側が今期中に予定している構造改革が明らかになれば、更なるコスト削減期待から株価の水準訂正に繋がる可能性も。なお、サステナビリティへの取り組みも高く評価されており、ESG(環境・社会・統治)投資の広がりが追い風となる見通し。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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