QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2022/01/24)
・20/2期からの4年間の成長の牽引役をH&Wと予想
連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。前期を底に回復・拡大に向かうとの見方は不変だが、消費回復の鈍さや足元の爆発的感染拡大を受け前回から減額。今期3QはH&Wを除く全事業の損益が悪化。消費者の家計防衛意識が高まるなか、価格競争が激化している。来期の連結営業利益はフジ(8278)連結子会社化も後押しし20/2期の実質値を若干上回ろう。20/2期から24/2期にかけて連結営業利益は実質ベースで年率3%成長を見込むが、この間の成長を牽引するのはウエルシアHD(3141)を軸とするH&W。異業種からのシェア奪取、コロナを契機とする客層拡大、調剤併設加速、積極的なM&Aにより小売市場でのシェア拡大が続く見込み。
・純利益回復に向け大胆な構造改革に踏み切れるか
会社中計の連結営業利益目標(26/2期3800億円)達成へのハードルは極めて高いため、ROE目標(同7%以上)達成に向け特損縮小を期待する方が現実的。非効率もしくは競争力が低下した店舗・事業からの撤退をはじめ、大胆な構造改革に踏み切れるかに注目したい。先般、キャンドゥ(2698)を連結子会社化したが、今後もH&Wを軸とする成長領域などへのM&Aに取り組む意向。フジとの統合を機にSM業界再編への関与を本格化する公算も。
・リスクファクター ~コロナ影響の長期化など
・アナリストの投資判断 ~家計防衛意識が強まるなか、家計応援型株主優待が水準訂正を後押しする公算も
今期3Qの大幅営業減益を受け、株価は足元で20年6月以来の2500円割れに。来期EV/EBITDA倍率は8.5倍(当研究所予想)と、20/2期最高の8.7倍を下回るため、割高感はない。家計防衛意識が一段と強まるなか、家計応援型の株主優待目的の買いが株価の水準訂正を後押しする可能性もあるだろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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