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日東電工(6988) 高精度基板やライフサイエンス部門の製品が想定以上に拡大

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2022/01/28)

・今期業績予想を利益面で小幅上方修正
 22/3期の連結業績について企業価値研究所では、売上収益が前期比13%増の8600億円、営業利益が同44%増の1350億円を予想する。新型コロナウイルス感染症の流行で前期前半に落ち込んだ自動車向け製品の回復や、プリント回路の出荷拡大、ライフサイエンス部門の成長などにより連結全体で増収、大幅増益となる見通し。従来予想との比較では、半導体・部材不足による自動車減産の影響で売上収益を若干引き下げたが、新型コロナワクチン関連を中心としたライフサイエンス部門の製品や高精度基板の想定以上の好調で利益面では小幅上方修正した。続く23/3期以降も、高付加価値製品の拡大とライフサイエンス部門の一段の伸長などで増益基調を辿ろう。

・3Q累計で各部門とも増益・黒字転換
 22/3期3Q累計の連結営業利益は前年同期比43%増の1083億円。インダストリアルテープ部門の回復が進んだほか、ライフサイエンス部門が黒字に転換。オプトロニクス部門も堅調に推移し、連結全体で大幅増益となった。

・リスクファクター ~半導体不足の長期化など

・アナリストの投資判断 ~着実な利益拡大を追い風に、株価は徐々に回復へ
 同社の株価は21年10月につけた7000円台前半を直近の底値として上昇しつつあったが、3Q決算を受けた会社側の通期業績見通しの上方修正が市場の想定の範囲内だったこともあり、決算発表翌日に急落。直近では当研究所の来期予想連結PERで約12倍と、電子材料メーカーの平均を下回る。半導体材料を主力とする他の電子材料メーカーと比較して来期以降の業績の伸びは小幅にとどまるものの、ライフサイエンス部門の成長などで着実な増益基調が見込まれる点を考慮すると、同平均並みの14倍程度の評価は可能であり、株価は徐々に回復に向かうと考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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