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富士通(6702) 部材供給遅延続くが、当研究所予想を据え置き

QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2022/01/31)

・22/3期3Q3カ月の営業利益は30%減
 22/3期3Q3カ月の連結営業利益は前年同期比30.3%減。DX(デジタルトランスフォーメーション)など成長投資に加え、部材供給遅延などが響くが、アジャイル(小単位で実装・テストを繰り返し、短期間の開発・リスク最小化を図る手法)開発をはじめ全社の業務改革による収益性の改善などが進む。企業価値研究所による22/3期連結業績予想を据え置き、売上収益を3兆6500億円(前期比2%増)、営業利益を2800億円(同5%増)とする。22/3期4Q以降の前提為替レートは1ドル=113円→115円と円安に見直したが、1ユーロ=130円は変わらず。

・テクノロジーソリューション部門に注力
 テクノロジーソリューション部門を強化。For Growth(デジタルを主体として、顧客の変革と成長に貢献する事業領域)とFor Stability(システム保守・運用やプロダクト提供など顧客のIT基盤の安定稼働への貢献と品質向上に取り組む領域)に分ける。22/3期3Q累計の連結売上収益はFor Growthが前年同期比1%減の6895億円、For Stabilityが前年同期並みの1兆4614億円。

・リスクファクター ~海外展開力の弱さ

・アナリストの投資判断 ~当面の株価は市場平均並みを想定
 主力であるテクノロジーソリューション部門を主体とする事業体制を強化。ユビキタスソリューション部門およびデバイスソリューション部門は売却や提携なども含め事業構造改革を推進。足元の案件獲得は部材供給遅延などもあり、やや鈍っているが、中期的に収益性の改善が続くとのシナリオにも変更はない。ただ、今期予想PERは過去5年間の平均予想PERと比べ、やや割高の水準にあり、当面の株価は市場平均並みの推移にとどまろう。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

豊田 博幸

調査部長

電機・精密担当


【プロフィール】
1985年、東京証券(現東海東京証券)入社。企業アナリストとして主に自動車、機械など製造業中心に担当したほか、投資情報業務にも従事。営業企画部や経営企画部など経営企画部門も経験。2000年、QBR(現QUICK企業価値研究所)に勤務。2011年より調査部長、現在に至る。「森羅万象、無駄になる情報は無し」を信条に、調査活動に従事する。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器専門部会 評価実施アナリスト


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