QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/06/08)
・前期は大幅増益。収益回復見込み当面増益を予想
22/3期の連結純利益は7066億円と前期比38%増加し、会社目標6700億円も超過。期末にロシア関連引当金等を計上しつつも、通期での与信費用減少や主要事業部門の収益回復、株式等損益の改善等が貢献した。
企業価値研究所は23/3期連結純利益を7500億円と予想。世界的なコロナ禍からの経済活動や個人消費の回復、金利の上昇や円安等を背景に、主要事業部門の収益の回復継続を予想。与信費用の減少も見込む。
連結純利益は24/3期に7700億円、25/3期に8000億円を予想。金利上昇、ビジネスモデル改革、出資戦略強化の効果等で徐々に利益水準が高まるとみる。
・資本活用フェーズ継続。株主還元は高水準続く
同社は株主還元・成長投資を強化し得る資本活用フェーズに移行済み。資本面は会社の運営目標のレベルで推移し、懸念は少ない。配当は累進的配当方針を採る。23/3期に会社は連続増配を計画。当研究所は当面増配基調が続くとみる。自己株取得はSMBC日興証券の相場操縦問題を踏まえ見送られているが、23/3期中には再開されると予想。同社の株主還元は高水準が続くとみる。
・リスクファクター ~証券子会社相場操縦問題等
・アナリストの投資判断 ~堅調推移を予想。相対パフォーマンスも徐々に改善へ
現状の株価指標は同社の過去5年平均に対しやや割安感がある。世界的な金利上昇とそれに伴う利益回復への期待、高い配当利回りへの評価等を背景に、当面の株価は堅調に推移し、徐々に上値を試すと予想。SMBC日興証券の相場操縦問題の影響(自己株取得の遅れ)もあり株価は相対的に出遅れているが、今後は自己株取得の再開・拡大に伴い、相対パフォーマンスも徐々に改善に向かうと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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