【日経QUICKニュース(NQN)】(9104)商船三井が3日続伸し、前営業日比135円(4.3%)高の3260円まで上げた。24日付の日本経済新聞朝刊は、商船三井が1000億円規模を投じてクルーズ船2隻を発注する方針を固めたと報じた。市況に左右されやすいコンテナ船に依存した収益モデルからの脱却に期待する買いが入っているようだ。海運株の値動きの良さに着目した売買が増え、郵船(9101)や川崎汽(9107)も高い。
報道によると、中長期的に新型コロナウイルス禍が収束し観光需要が回復すると判断。不動産や風力発電などの事業にも力を入れ、コンテナ特需終了後も純利益2000億円を安定して稼げるようにするという。
香川証券の吉岡斗紀夫投資戦略担当部長は「海運大手の米ゴールデン・オーシャン(GOGL)やデンマークのAPモラー・マースクなどの株価に目立った動きがないことから、日本の海運株は独自の要因で株価が上昇しているとみている。クルーズ船が業績に大きく貢献できるかはまだ判断しづらいが、少なくとも経営の多角化にかじを切る動きは評価できる」と話した。