【QUICK Market Eyes 永島 奏子】アムンディ・アセット・マネジメントは10日付のレポートで、「イスラエルにおける紛争が局地的なものにとどまり、拡大しない限り、市場への影響は限定的」と指摘した。イスラエルへの渡航や同地域上空への飛行が困難になることから、航空セクターには若干マイナスになるとし、防衛や石油セクターにはわずかながらプラスに働くとした。
中東情勢の緊迫化で一時急騰した原油相場については、「イラン産原油の輸出に対する米国の制裁が緩和されれば、原油価格は上昇しにくくなる」との見方を示した。原油価格が上昇した場合はインフレ動向に影響を与えるが、紛争は局地的なものにとどまるとの見方から来年のインフレ見通しは据え置いた。もっとも、(米国の)インフレ率が抑制されなければ「米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切る可能性が低下し、2024年に米国経済がハードランディングするリスクが高まる」との警戒感を示した。