【日経QUICKニュース(NQN)】石油関連株が軟調だ。INPEX(1605)は一時、前日比22円50銭(1.16%)安の1902円を付けた。28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2024年2月物が前日比3.2%安で終えたことを嫌気している。石油資源(1662)も下落しており、東証株価指数(TOPIX)業種別株価指数の全33業種では「鉱業」が値下がり率トップとなっている。
12月に入り、中東の地政学リスクの高まりから大手海運会社がスエズ運河経由ではなくアフリカ南端の喜望峰を経由する動きが出ていた。ただ、ロイター通信は28日「デンマークの海運大手APモラー・マースクは喜望峰を経由する船を少数にとどめる計画と分かった」と報じたことから、原油供給への懸念が和らいだ。
楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「中東の地政学リスクがやや緩和していることに加え、中長期でも米中の景気減速に対する警戒感は強く、原油価格の上値は当面重いのではないか」との見方を示した。