【日経QUICKニュース(NQN)】10月15日の東京株式市場で、富士ソフト(プライム、監理、9749)が大幅続伸し、前場に前週末比710円(7.88%)高の9710円まで上昇した。米投資ファンドのベインキャピタルが11日、富士ソフトに対する買収計画を正式に提案したと発表した。富士ソフトの賛同を得られれば、10月下旬をメドに1株あたり9450円でTOB(株式公開買い付け)を始める。実施中の米KKRによるTOB価格(8800円)を7%あまり上回る水準で、買収価格のつり上げ競争になるとの思惑が再燃し、買いが膨らんでいる。
KKRはベインへの対抗措置として、9月19日に現在進行中のTOBとは別に同じ価格でTOBを実施する2段階方式の用意があると表明。KKRは同時点では大株主から発行済み株式の3割を取得できる見通しが立っていたというが、今回のベインの提案を受け、創業家の株主はベインによる非公開化に協力する意向という。
富士ソフトはKKRによるTOBに賛同していたが、15日朝に「(KKRによる公開買い付けへの)意見を変更する可能性もある」と、株主に留意を求めるリリースを公表した。KKRのさらなる対抗策や富士ソフトからの新たな決定事項の発表があるまでは、株価が不安定な値動きとなるとの見方が多い。