仮想通貨のビットコイン(BTC)が29日、コインデスクで1BTC=10358.31ドルまで上昇し、節目の1万ドルを初めて突破した。ビットコインの急騰を受けて、ビットコインの売買アプリを手掛ける米スクエアやマイニング関連のアドバンスト・マイクロ・デバイシスなどへの関心が改めて高まりそうだ。
個別株だけでなく、ビットコインの上昇の恩恵を直接受けるETFとして、「ARK ウェブx.0 ETF」にも関心が向かうかも知れない。このETFはクラウド・コンピューティングやサイバー・セキュリティ、ビッグデータ、eコマース、ブロックチェーンなどに関連する銘柄を組み入れたもの。2014年9月に上場し、今年は右肩上がりで上昇が続いて28日まで8日続伸して連日で上場来高値を更新していた。
QUICK FactSet Workstationによれば、ウェブx.0 ETFの組入銘柄で最も大きいのはビットコインの価格に連動する投資信託のビットコイン・インベストメント・トラスト(GBTC)で、運用資産の8.92%を占める。GBTCは米証券取引委員会(SEC)の承認を受けていないため、適格投資家以外は投資できないことから個人投資家にはなじみの薄いものだが、ビットコイン関連の金融商品として知られる。その他、組み入れ上位にはアマゾン・ドットコム(6.56%)、エヌビディア(3.90%)、テスラ(3.32%)などの主力ハイテク株も並んでいる。
このETFを買うことはビットコインやハイテク株に集中投資するようなものだが、ビットコインの現物を持っているのならARK ウェブx.0 ETFを売り持ちにしてヘッジを掛けるといった使い道もありそうだ。
ARK ウェブx.0 ETFの組入上位20銘柄(QUICK FactSet Workstationより)
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