仮想通貨取引所国内最大手のビットフライヤー(東京・港)によると、8日、1ビットコインあたりの価格は200万円を突破した。ここ1日で約5割値上がりしており、1年前(9万円前後)に比べると、20倍以上に価格が高騰している。一時226万円まで上昇した後は、急速に上げ幅を縮小。荒い値動きが続いている。
ここ2日のビットコインの値動き
ビットコインの異常とも言える急騰を受け、米経済専門チャンネルのCNBCは7日、ブロックチェーン技術などデジタル資産を運用するBKCMデジタル・アセット・ファンドのブライアン・ケリー・ポートフォリオマネジャーの見解を紹介した。ケリー氏は現在のビットコインが1995年から始まったインターネットバブルのようだと指摘。その上で、「明らかなのは、ビットコインがペッツコム(Pets.com)のようになるということだ」との見解を示した。
若い人は知らないかも知れないが、2000年にかけてのITバブル(ドットコム・バブル)期に米国でペットをオンライン販売するペッツコムという企業があり、1998年に創業して2000年2月に上場し、一時は時価総額が1億㌦に達したが8カ月後に倒産していた。当時、スーパーボウルで広告を出したということから、「.com」さえ社名に付いていれば実体以上に人気化したことを物語る銘柄だった。ITバブルを乗り越えたドットコム銘柄と言えば、アマゾン・ドットコムやセールスフォース・ドットコムくらいだろうか?
ちなみにケリー氏は、「仮想通貨ならビットコインよりもイーサリアムの方に収益チャンスがある」との見解も示したといい、仮想通貨そのものに否定的な見解を示した訳ではなかった。
ほかにも、海外の市場関係者からは様々な声があがっている。
「ビットコインの上昇は一服する兆しを見せない。金といった伝統的なアセットクラスからビットコインに資金が流入しているとみる市場関係者がいる。最近の金の急落の説明がつきそうだ」(CMCマーケッツ)
「最近のビットコインの急騰の裏に投機筋がいるならば、バブルが弾けるまで上昇が続くだろう。ビットコイン先物がシカゴ・オプション市場(CBOE)やシカゴ・マーカンタイル(CME)に上場した後に空売りが可能になるが、勇敢な市場参加者はいるのだろうか」(オアンダ)
「ビットコインは世界の過剰流動性を示唆するカナリアなのかもしれない。バランスシート拡大、低金利、資金供給といった緩和的な金融政策を反映していのだろう」(エバコアISI)
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