来週から2017年3月期の決算発表が本格化します。この際に注目されるのが18年3月期の業績見通しと、業績の前提になる円相場の見通しです。そこで今回は一足先に17年末の円相場の見通しと、まさに今実施されているかもしれない新入社員研修につい上場企業に聞いてみました。
今年のドル円相場は方向感出にくい?
2017年末のドル円相場の方向性について聞いてみたところ、現時点で17年末の円相場は6割がもみ合いと見ていました。東証1部や2部の大規模企業、マザーズやジャスダックに上場する新興企業など334社のうち、64%が「もみ合い・レンジ推移」と回答。一方、「ドル高・円安トレンド」と回答した企業は16%にとどまりました。上場企業からは「トランプ政権の安定化が喫緊の命題」、「トランプリスクが表面化しつつある」と米トランプ政権を不安視するコメントが目立ちました。「北朝鮮の動向が先行きの不透明感を醸成している」との声もありました。
2極化する新入社員教育
企業の4月入社の新人研修への取り組みは2極化しています。QUICKが2017年度の新人の研修期間をどれぐらい実施するか聞いたところ、2年前の調査と比較して「半年以上」と「実施しない」の回答が大幅に増えました。非製造業の研修期間の回答の内訳をみると、「1週間以内」が全体の35%から25%まで減少。「1カ月程度」や「2~3カ月」に変化はなかった一方、「半年またはそれ以上」が5%から7%に、「実施しない」が1%から8%に増えました。
人手不足が叫ばれている昨今、新卒採用者は会社にとって金の卵です。謙虚に学ぶ意欲の高い新人に対して、企業がどのような研修を与えるかは中長期的な成長力の基礎にもなります。もっとも、人手不足により新人研修をする余裕がない企業もありそうです。
なお、日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している4月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)が前月比5ポイント改善のプラス27と2カ月ぶりの改善となりました。非製造業DIも前月調査から8ポイント改善のプラス37となり、金融を含む全産業DIは前回調査に比べて7ポイント改善のプラス33とでした。
<QUICK短観の推移>
*QUICKでは上場企業にアンケート調査した結果をまとめて「QUICK短観」として毎月公表しています。