人手不足が深刻化するなか、企業は、外国人労働者に関する制度の見直しなど政策の後押しが外国人の雇用増を促すきっかけになるとみている。QUICKが17日まとめた5月の短期経済観測調査(QUICK短観)で分かった。
調査期間は1日~14日、上場企業308社が回答した。
今月の調査では外国人の雇用に対するスタンスを聞いた。最も多かったのは「外国人を雇用しており、メリットが多いので今後は雇用者数を増加したい」の回答で30%を占めた。相対的に製造業より非製造業で雇用者数を増やしたいとの回答が目立った。また、今は外国人を雇用していないものの、「将来的には雇用を検討している」の13%を合わせると、約4割が外国人の雇用に前向きだった。
一方「外国人を雇用しているが、課題も多く雇用者数の増加は検討していない」が22%、外国人を雇用しておらず、「当面も雇用は考えていない」が17%と、消極派が約4割に達し意見が分かれる結果になった。
ただ、「制度の見直しなど、外国人を受け入れやすい環境が整備されれば、検討もしくは増加したい」が18%と、雇用増の余地も示された。
厚生労働省によると、2017年10月末の外国人労働者数は127万人と前年同期比で18%増え、5年連続の増加となった。企業の届け出を義務化した07年以降では最高だった。安倍政権は19年4月をメドに新たな在留資格をつくり、技能実習を修了した外国人に最長5年間、就労可能な資格を与える方針だ。政策の後押しなどで外国人労働者を取り巻く環境が変わり、雇用者数がさらに増加すれば人手不足は緩和に向かう可能性がある。
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