QUICKコメントチーム=川口究、写真=Chesnot/Getty Images
16日の米国株式市場の時間外取引でネットフリックス株が一段と値を上げた。通常取引は0.71%高の286.28ドルで取引を終え、時間外では8.11%高の309.50ドルを付ける場面もあった。取引終了後に発表した2019年7~9月(3Q)決算が市場予想を上回り、好感した買いを集めた。
ネットフリックスの業績を巡っては、米国の有料会員数が2四半期連続で減少するのではないかと懸念されていた。実際は小幅増となり、その要因について業績発表資料では、SFホラー「ストレンジャ―シングス3」など好調だったと指摘。またアップルやディズニーなどの参入により競争環境の激化が懸念されている点については、「当社の短期的な成長に若干の逆風があるかもしれませんが、それは次期会社計画に織り込みました。動画ストリーミング配信業界に新規参入者が増加することは、TVからエンターテイメントのオンデマンド消費への移行を加速することを意味します。テレビ放送からケーブル放送への進化の時と同様の大きな変革が、動画配信サ―ビスの多くのプレイヤーに成長の機会をもたらすでしょう」との見解を示した。
3Q決算は、1株利益(EPS、Non-GAAP)が1.59ドルで市場予想の平均(1.17ドル)を上回った。売上高は前年同期比31%増の52億4490万ドルで、市場予想は52億4764万ドルだった。
10~12月期の売上高についてネットフリックス側は54億4200万ドルと想定しているが、アナリストは55億1221万ドルと会社予想を上回って着地すると読む。FACTSETがまとめた10~12月期のアナリストの予想EPS(平均)は、前年同期比86%増の0.97ドル。純利益は3億7052万ドルが見込まれている。
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