QUICK Market Eyes=片平正二
米半導体ザイリンクス(@XLNX/U)が22日の大引け後に発表した20年1~3月期決算で売上高は前年同期比8%減の7億5600万ドル、調整後の1株当たり利益(EPS)は同31%減の0.65ドルだった。市場予想はそれぞれ7億5090万ドル、0.65ドルで売上高は予想を上回ったがEPSは予想に一致した。
ビクター・ペン社長兼最高経営責任者(CEO)は決算資料で「2020年会計年度は特に華為技術(ファーウェイ)と米国との貿易関連の制限に加え、1~3月期に新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がるなど他に類を見ない困難に直面した」との見解を示した。
■4~6月期の業績見通しは保守的、市場予想を下回る
同社は4~6月期の業績見通しで売上高を6億6000万~7億2000万ドルのレンジで見込んだ。中央値の6億9000万ドルは市場予想(7億2980万ドル)を大幅に下回る保守的なものだった。新型コロナの感染拡大を受け、「グローバルな事業環境は不確実性が高く、短期的な視野を超えた課題を抱えている。従って現時点では、四半期ごとのガイダンスのみを提供することが賢明であると考える」との見解を示していた。
■目標株価の市場コンセンサスも低下
目標株価の市場コンセンサスは直近で93.50ドル(29社)と、3カ月前の101.43ドルから7%低下した。22日の米国市場の時間外取引では4~6月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで通常取引終値比で6%超下げた。新型コロナを受けて米中関係の悪化も懸念され、株価の戻りは鈍そうだ。
【関連記事】
新型コロナで不安な米決算シーズン、4年ぶりの減益率でも市場は前向き?